2026年3月16日月曜日

3月16日 春を迎えた我が家の花々

春を迎えた我が家の花々

長年育てていたアザレヤ、

株を増やしたのですが、元の株だけ生き残り、

しかも、買った時の花は、

下の方に咲いているピンクのしぼりの花

それが、いつの間にか、台木の方が元気に育ち、

オレンジの花が賑やかになり、

接木の部分はようやく生きのこり、2つほど花を咲かせました。

 

この写真は、これまた長年育て、株を増やしたクンシラン、

廊下に年末に取り込んだ株が、

本格的に咲き始めました。

例年より、早く咲いたように思えます。


下の写真は、庭で本格的に咲き始めたスイセン、

強烈な香りを振りまきながら、

艶やかな春の姿を見せています。

 

賑やかな春の花々の季節を、

我が家も迎えています。

2026年3月11日水曜日

3月11日 プーチンとトランプは、同じ穴のムジナか?

 プーチンとトランプは、同じ穴のムジナか?

渡辺幸男

 

 プーチンのウクライナ侵略は、2014年のクリミア半島の無血奪取に始まった。そして、ウクライナ東部への侵略、2022年の本格的侵略へとつながる。クリミア半島での成功が、ゼレンスキー政権の崩壊、そして傀儡政権としてのウクライナ元首の挿げ替えを目指した、(後から見れば)不用意な形でのウクライナへの全面侵略開始、そしてウクライナ東部戦線での膠着状態、大量の自国兵士の死傷者発生、すなわち自ら泥沼にハマりにいき、引くに引けない侵略戦争へ、そしてその長期化、それなりの「勝利」の実現の困難化、戦争開始の際の目的を大きく割り引いた上でのそれなりの「勝利」の宣言と終戦との困難化へと繋がっている。

 2026年のトランプは、もっと短期に、同じようなことをしているように見える。ヴェネゼエラからのマドゥーロ大統領の誘拐、そして自国兵士の損傷なく、ヴェネゼエラ政府の米国政府の傀儡化の実現を達成できたように見える。同じことをイランに対して始めた。イスラエルと組んで、最高指導者の暗殺をはじめとして主要政権幹部の暗殺、その後、イラン政府の傀儡化を実現しようとした。

しかし、である。イラン政府は、ヴェネゼエラ政府の副大統領が受け入れたような米国への自国政府の傀儡化について、これを拒否した。結果、米国は引くに引けない状況に、自らを追い込んでいるのではないか。4〜5週間で侵略は終わり、傀儡政権を樹立できるとのトランプの思惑は、大いに外れそうである。

イランはヴェネゼエラではない。ヴェネゼエラでの成功体験が、悪影響をトランプに与え、泥沼へと誘い、世界経済を混乱させ、米国経済にも悪影響を与え、トランプ政権の存立基盤自体を掘り崩しつつある。

このように見えてくる。どうであろうか。

プーチンがウクライナで犯している失敗を、トランプは、もっと短期で、より過激に繰り返すのではないか。

ここでトランプは、引くことができるか、それが勝負どころであろう。引くことができれば、トランプの政権基盤自体は弱体化するが、とりあえず侵略長期化という泥沼にハマることはないことになる。ただ、自らの面子を重視すれば、引くに引けない状況に陥るであろう。

トランプが、ウクライナ援助をしぶり、プーチンに甘いのは、プーチンと同じ発想の、自国の勢力圏たる近隣諸国に対する力による支配を主張する帝国主義的人間であることの反映ではないか。それゆえ、プーチンの行動を十分理解でき、その発想の大元については、これを肯定し、共鳴するからではないか。このように思えてくる。ロシアのウクライナ侵略について危機感を持って身近に感じているヨーロッパ諸国民とその政府首脳たちとの大きな違いが、そこには存在するようである。

 

ここまでを、2026310日午後2時までに書いた。

 

 その日の午後2時過ぎに我が家に届いた、フィナンシャル・タイムズのOpinion欄(p.17)で、ギデオン・ラックマン氏がトランプのイラン侵略の問題を取り上げ、‘Trump’s Venezuela plan is failing in Iran’(トランプのヴェネゼエラ・プランはイランでは失敗しつつある)というタイトルで小論を書いている。そのサブタイトルは、「中東での米国の軍事的介入は、すでに、カラカスで使用されたモデルから劇的に乖離している」というものである。

 そして、その小論の結論部分の最後の2つのパラグラフで、「トランプは明確に敗北している場合でも、勝利を主張することのできるという極めてユニークな能力を保持している」とし、「事態の一層の追求と迅速な撤退との選択を迫られたとき、彼の気質と政治的利害は、損切りへの選択を目指すであろう」と述べる。ただ、「イランでの勝利を宣言し、撤退するのはそれほど単純なことではないであろう」とし、その理由として「当該地域には、米国の軍事基地群、経済的諸資産、傷つきやすい同盟諸国があり、4万人の米兵がおり、トランプは好きなときに戦争を始められるが、同様に好き勝手なときに戦争を終えることはできず、‘Operation Epic Fury’は、‘an epic failure(大失敗)となるリスクがある」と締め括っている。

 

 まさにロシアのプーチン大統領が4年ほど前に踏み込んだ道と、トランプ大統領のイラン侵略戦争開始は、あまりにも共通している。ただ、プーチンとトランプでは、性格が大きく異なることを、ラックマン氏は最後に指摘し、トランプが、プーチンとは異なり、不利な戦況のもとでも、勝手に勝利宣言し撤退する可能性を指摘している。が、しかし、両者におけるその性格に違いも、イラン侵略の際の中東での米国の置かれた環境下では発揮され難く、プーチン同様に戦争の長期化、泥沼化へとつながる道を歩まざるを得なくなるかもしれないと、ラックマン氏は締め括っているのである。

 

 帝国主義者としての似たもの同士、プーチンロシア大統領とトランプ米国大統領、ともに、第2次大戦後の世界で保持していた帝国主義的覇権がほころび始めたときに政権につき、帝国主義国としての再興を目指した。その結果が、プーチンの場合は、ロシア以外の旧ソ連諸国でのロシア人居住地域の分離独立、そしてウクライナ政府の傀儡政権化ないしはロシア人居住地域である東部ウクライナの分離、ロシアへの併合となった。また、トランプ大統領の場合では、WTOのルールを無視した高関税による自国内再工業化の試み、そして西半球の米国にとっての勢力圏宣言と、グローバル規模での反米勢力支配の国家の武力による解体の試みとなったといえよう。

 ただし、奇妙とも言えるのは、第2次大戦後のような覇権国家、帝国主義国家間の対立としての米ソ(今の米露)対決となっていないことである。ロシアがグローバルな覇権国家としての力を失ったこと、旧ソ連、そして旧ロシア帝国領土の回復を目指すに留まらざるを得ないことが、このような米露対決とはなっていない理由であろう。21世紀20年代の覇権国家は、米国と中国ということなのであろう。

 覇権国家から脱落した旧ソ連の継承国家としてロシア、そして覇権国家としての存立が怪しくなってきた米国、その両者に似たような帝国主義的志向の大統領が生まれ、それがウクライナ侵略戦争を引き起こし、イラン侵略戦争を引き起こしたのであろう。

 

 いずれにしても、今、注目すべきは、トランプがラックマン氏のいうように、とにかく勝手に勝利宣言を出し、一方的に対イラン戦争から撤退することができるかどうかであろう。それが可能であり、その可能性を選択しえるのがトランプであるとも言えるのであるから。泥沼にハマらざるを得なかったプーチンとの大きな違いである。

 同じ穴のムジナであるプーチンとトランプであるが、同じムジナでも性格が大きく異なる。自らの思惑外れた時、失敗の締めくくり方が、両者で大きく変わるかもしれない。あるいは、性格が大きく異なるムジナだが、環境がもたらす強制力の方が強く、それが性格の異なるムジナの行動を最終的に決め、結局、両者で同じような結果、戦争の長期化をもたらすのであろうか。

 このような状況がもたらす結果は、他人事ではなく、我々の生活がかかっていることではある。が、興味深いことでもある。

2026年2月3日火曜日

2月3日 日経とFTの記事から見たロシアの非工業化の進展

 日経とFTの記事から見たロシアの非工業化の進展

日経記事 薬文江「中国 半導体装置を国産化」

日本経済新聞、2026131日(12版)7ページ

FT記事 Seddon, M. & C. Cook Russia remains dependent on foreign tech

Financial Times, 2 Feb. 2026, p.2 

を読んで 渡辺幸男

 

サブタイトルが「昨年、世界上位20社に3社」「米の輸出規制で台頭」という、日経の記事は、世界の半導体製造装置メーカーの売上高上位20社について、2022年と2025年(見込み)のそれぞれの年のそれをリストアップし、それを国別に見た場合、どのような分布に変化したのかを見たものである。

 掲載された表によれば、上位20社の中では、日系企業が多く、2022年には8社、2025年には9社となっている。そして、それについで、EUの企業が両年とも5社、米社は22年が3社、25年が2社である。そして、22年はそれ以外では韓国が2社、シンガポールが1社、中国が1社であるのに対し、25年には、中国が3社、シンガポールが1社で韓国がゼロである。すなわち、韓国の2社にかわり、中国が2社増えて3社となった表である。変化としては、中国系企業の躍進が目立つ形となっている。記事自体も、その見出しから分かるように、この中国装置メーカーの躍進に注目したものである。

 

 ただ、私の視点ないしは最近の関心からは、別の点が改めて気になった。すなわち、世界の主要工業国がこの表の企業の出身国として掲げられ、ほぼすべて、すなわち、EU、米国、東アジアの日本を含め韓国等が挙げられ、その中に中国も入ってきている、というのであるが、旧ソ連という「先進工業国」であったはずの経済圏、旧ソ連圏出自の諸国家の製造装置企業が皆無という事実である。旧東ドイツは現在のドイツの一部になっていて、エキサイトという企業がドイツ系企業として表に出ており、勉強不足の私には、その企業の由来をわかっていないので、厳密な議論ではないが、何れにしても旧ソ連邦から分かれた諸国の企業は皆無ということは事実である。

 半導体産業に詳しい人から見たら、旧ソ連出自の国の半導体製造装置企業が、この表で皆無なことは当たり前過ぎることなのかもしれない。私も、旧ソ連が達成していた「先端工業」のなかにおいて、IT関連の工業が非常に遅れていたことは多少知っていた。が、旧ソ連解体後35年が経過しても、半導体製造装置において、有力企業が皆無というのは、現代の先端工業での半導体の占める位置が大きいだけに、やはり注目すべき点であると思われる。

 それに対して、中国は、ということになる。旧社会主義体制が崩壊した時点では、明らかに先端的な工業と言える工業は、旧ソ連と異なり、市場競争力があるかどうかを別としても、保有していなかったといえよう。それが、30年余のうちに、有力な半導体製造装置メーカーが何社も登場している、ということになる。

 この際、決定的に重要なのは、そして政府の積極的な育成策以上に重要と私には思われるのは、この記事にも書いてあるように、中国市場が半導体製造装置市場としても世界の4割を占める市場であるということであろう。この巨大な国内市場、強大な半導体需要とその生産のためのこれまた巨大な製造装置の国内需要を前提に、中国政府の支援策を活かし、かつ米政府規制による先端的製造装置の輸入困難化が重なり、極めて多くの新生の半導体製造装置メーカーが中国内で誕生し、激しく競争し、その中のいくつかの企業が急成長したということができる。もちろん、既存の米欧日韓等の半導体製造装置メーカーが存在しながらの成長は生やさしいことではないと言えるが、自国市場が巨大な市場であることは、自国系の企業が有力企業として成長するための極めて重要かつ有効な条件であることは、当然のことといえよう。

 それに対して、ロシアはどうであろうか。EU市場と一体化し、その市場でのIT需要、そして半導体需要の大きさを活かし、積極的にIT産業育成策を実施し、それに成功していれば、旧ソ連解体後の市場経済のもとでの35年の年月は、新たな半導体製造装置メーカー等のIT産業での有力企業を育成することも、中国がそうであったように、論理的には、可能であった時間の長さといえよう。しかし、結果はこの記事が象徴的に示しているように、旧ソ連圏、ましてや旧ソ連邦の後継諸国では、半導体製造産業それ自体も育たなかったし、ましてやそのための製造装置産業企業も育たなかった。少なくとも、有力半導体製造企業群とそのための製造装置産業企業群の形成について、ロシアの工業について関心を持つ人間の一人である日本の私には伝わってきていない。中国との大きな違いである。このような状況を、改めて示したのが、この記事であるともいえよう。

 

 これをどのように見るべきか。ロシアの人口1億4千万人余、これに旧ソ連の他の諸国、ソ連経済圏の諸国、そして旧ソ連崩壊後急接近したEU市場、これらを合わせれば、十分巨大な現代工業が発展する市場の大きさである。EUと旧ソ連圏諸国市場、EUに加盟した諸国を別とすれば、必ずしも市場として一体化したとは言えないが、旧ソ連解体後にロシアが市場経済化を急速に進める中では、ロシア経済はEU市場を前提にしていたといえよう。

 ただし、欧州市場でのロシアの基本的な位置は、早急な市場経済化を実行したこともあり、「先進工業」製品をそれなりに製造可能であったロシアであるが、その工業の担い手の諸企業には市場競争力がほぼなく、市場開放によりほぼ壊滅、ないしはロシア国家により政策的に維持されるだけの存在になったようである。他方で、豊富な一次産業、農産物や鉱産物については、豊富な天然資源と自然環境とにより、当面の競争優位を、欧州市場で形成し得た。結果、欧州市場の中の一次産品供給国として、その存立を拡大し、他方で、あるいは「それゆえに」とも言えるかもしれないが、「先進工業」部分の市場経済下での先端工業化には失敗した。しかし、それなりに豊かにはなった。このように見ることができよう。

国内市場として潜在的には巨大であったが、あまりにも低価格志向の市場であり、先進国工業製品では資本財も含め高価過ぎ、当時の先進工業製品が国内市場向けに浸透しえなかった中国との大きな差異と言えよう。結果、中国では、国内市場を出発点として、極めて多くの市場経済に適合した新興企業が育ったが、ロシアではそのような新工業企業の簇生は、工業分野では生じなかったように見える。

 

その中で、ロシアによるウクライナ侵略が試みられ、米欧日等から経済制裁をロシアは被ることとなった。結果、欧州市場への一次産品輸出国として、欧州市場の中で一定の地位を確立しつつあったロシア経済だが、制裁の結果、欧州市場への一次産品輸出国としての存立に依存しては、それなりの成長どころか、ソ連解体後に実現した国民生活水準を維持することも難しくなった。

 

 

 以上の日経記事に触発された文書を書いているうちに、下記のようの記事が202622日付のFTに掲載された。上記の記事に対する私の感想と大きく関係するので、その紹介と、それを通して、私が感じたことを書いてみたい。

 

FTの記事は22日付のものの2ページに掲載された、Seddon, M. & C. Cookの共著の記事で、タイトルは ‘Russia remains dependent on foreign tech’とあり、副題は、「クレムリンの内部文書は、基幹的な制裁されている輸入品に代替するための戦いを示している」とされている。

 私の関心に基づき、記事の内容を要約的に紹介すれば、まずは、紹介されているロシア政府の内部文書では、ウクライナ侵略以来西側の技術への依存を弱めようとしてきたが、ドローン等の重要な軍事製品製造技術領域で輸入に依存し続けているとし、2030年までに技術的自立を獲得するようにロシア経済を転換することが必要であるとしている、とのことである。

 しかし、それに対し、記者たちは、ベルリンの専門家の意見を紹介し、現行では海外からの基幹的技術製品であまりにも大きく輸入に依存していることから、ロシアの計画は極めて楽観的であるとしている。また、西側の制裁で、技術的に充足することがロシアの多くの分野で困難になっていると、その専門家は指摘している。例えば、ロシアの最新型の巡航ミサイルの部品の50%ほどが多様な国の多様な部品を輸入してできている。そのような状況のため、制裁によりロシアは中国から調達せざるを得なくなり、中国はロシアが輸入するマイクロ・エレクトロニクス製品の90%を供給している、と指摘している。

また、旅客機不足を補うための努力もうまくいかず、西側の部品供給が途絶したことで、改めて開発し直さねばならなくなっている。また報告書はロシアの基幹部門の企業の80%が、現行の46%から2030年までにロシア製のソフトを使用するようになると、ファンタジーと言えるような予測をしていると、専門家は見ている。

 

 この記事の紹介からも、ロシアの技術面での西側依存、特にIT産業関連での技術的自立性の欠如が理解されよう。ロシア製の最新の巡航ミサイルの主要部品の多くが、西側の企業の製造した部品であり、西側諸国の制裁に対応し国内生産へ移行することができないのである。また、西側の制裁が本格化してから、すでに数年経過した時点での上記の報告書で、今なお、過半の主要企業が西側企業の開発したソフトを使用している状況ということでもある。

 

 このような状況をなんとかしなければ、という意識はプーチン政権内部にもあるようで、プーチン大統領の任期である2030年までにはなんとかと考えているようである。ということは、ウクライナへの侵略戦争はプーチンが満足する形での終わりは見えていないのに、あと4年しか無いことになる。西側から半導体製造装置も輸入できず、中国製の装置だけで、どの程度のものを作ることができるというのであろうか。たとえ、半導体の設計自体はできたとしても、先端的な半導体をどんな製造装置によって、誰によって組立、西側から輸入しているそれに変えるものを作ることができるというのであろうか。

 ウクライナ侵略が本格化し、西側の経済制裁が本格実行される中で、すでに4年が過ぎようとしている。その状況の継続下で、ロシアのIT産業の本格形成が本当に2030年までの残りの4年でできると考えているのであろうか。ましてや、中国へ依存でき、中国はそれなりに先端的に近いIT製品を生産できるのであり、そこからの輸入に依存することが可能である。そのような状況にあり、かつ、ウクライナ侵略戦争遂行とそこでのそれなりの「勝利」が第一であるロシアそしてプーチンが、内製へと切り替えるきっかけを掴めるのであろうか。

国内産の製品がたとえそれなりにできるようになったとしても、試作品を試用し、本格使用を目指すような余裕が、兵器生産の企業を含め今のロシアの企業群にあるのであろうか。私には、プーチンそしてロシア政府にそのような余裕はなく、その時使えるものがあれば、それを優先、すなわち、中国製の部品を優先して使用し、国内での試作品の試用を行う余裕など皆無のように見える。まさに記事にあるように、2030年までに、というのは、‘fantasy’、夢物語であろう。

試作用の部品ができる、ということ自体も、市場経済化したのちのロシア企業の行動を、それなりに見てきたものにとっては夢物語そのものとは思えるのだが。ましてや、実用化できるというというのは、・・・???である。

 

 このように2月に入ってからの日経とFTの2つの記事を見てくると、ロシアの工業の現状の今の「先進工業」からの遅れ、否、相対的な後退が見えてくる。そして、それを逆転し遅れを取り戻そうというロシア政府の意思は存在していそうである。だが、ウクライナへの侵略は、意図的にはロシア工業の自律的再先進工業化を志向していたとしても、本格的国内生産に向けての試行さえ無理であり、結果的には、西側の工業への依存から中国の工業への依存へと調達先を押し曲げるしか選択肢はないと言えそうである。結果、ウクライナ侵略の長期化は、ロシア工業の非先進工業化そして非工業化のさらなる促進をもたらすことになりそうである。

ウクライナ侵略の長期化により、2030年までのプーチン政権下での先進工業化、非「非工業化」の実現は、その端緒だけだとしても、無理であり、夢物語そのものであるといえよう。私には、このように見えてくる。

 

できれば、2030年のロシアの工業状況を、この目で直接は見ることができ無いにしても、新聞等の情報を通してでも、見てみたいものである。非工業化がさらに進行した2030年代のロシアは、完全に中国経済圏の一次産品供給国化しているのでは無いか、と私は予測しているのだが。

2026年1月1日木曜日

2026年元旦 新年のご挨拶

 謹 賀 新 年

 渡辺幸男


 昨年も、自分なりには充実して過ごすことができました。はたから見れば、ほぼ引きこもりに近い状態で、すごしました。

朝起きてからは、妻の手伝い的な形で家事の分担、家の前の掃除をし、洗濯物をベランダに干す等をおこない、まずは朝のルーティンをこなす。

朝のルーティンが終了してからは、新聞2紙に目を通し、昼過ぎにはフィナンシャル・タイムズに目を通す。そのほかの時間は、池の鯉の世話と庭の植木や植木鉢の世話、そして、ネットで注文した本を読む、これでほぼ毎日の(趣味の)時間が、あっという間にすぎていきます。

こんな毎日を、今年も送ることができたら良いなと思っています。

 

 そんな私が、もと産業論から見た中小企業論研究者として、今、最も気になるのは、中国とロシアの産業展開です。新聞でもそれらの関連の記事については、かなり丁寧に読み、自分なりに考え、意見をまとめ、自分のブログに感想文を掲載するということをしてきました。

 

 そして、その中でも、今、最も意識しているのは、ロシアの産業動向です。ロシアの工業の実態については、新聞報道を通しても、新刊の日本語文献を通じても、ごく断片的にしか伝わってきません。そんな中で、ロシアのウクライナ侵略は、満4年を迎えようとしています。そして、ロシア経済の停滞が、マクロ統計をとおして、戦時生産体制下での増産を目指しているはずにも関わらず、垣間見えてきました。

 それでなくとも、旧ソ連の崩壊から以後、工業生産や工業製品について、西欧と中国への依存が増し、ロシア国内生産が縮小していることが報告されていました。そのもとで、ウクライナ侵略を行い、そのため欧米からの輸入制限の制裁をうけました。そして軍需生産へのシフトをすすめたことで、民需製品や産業用高度部品については中国への依存を強め、国内工業の多くの部門での生産が衰退状況にあることが、見えてきました。その上での生産全体の停滞です。

 プーチン大統領は自らの目指す「ロシア帝国」の再構築のもとで、どんな経済、特に工業生産力を構築することを考えているのでしょうか。私には全く見えてきません。というより、自立的な工業生産力、旧ソ連経済下では、それなりに実現していた、それを最終的に解体することを、ウクライナ侵略を通して実行しているのではないと思えてきてなりません。結果的には、工業生産力的にはガランドウで、工業製品については中国にほぼ全面的に依存する「帝国」を構築しようとしているのではないか、そんなふうに見えてきます。

 今年も、ロシアの工業生産の動向に注目し、その行き先を眺め、自分なりの産業論理解の妥当性について検討していきたいと思っています。

 私は、年頭にあたって、こんなことを考えています。

 

 今年も、勝手な感想文をブログに書くかと思います。本年もよろしくお願いします。