ロシア工業の「非工業化」とロシアのウクライナ侵略、
それらが意味すること
渡辺幸男
はじめに
ロシアがウクライナ侵略を開始して、3ヶ月近くが経った。ロシアの侵略について、プーチン大統領が侵略当初思い描いていた姿、意図した形では進展していないことは明確である。短期にウクライナに傀儡政権を樹立し、勝利宣言をするというシナリオは、完全に崩れた。長期戦の様相を呈してきている。
そこで問題となるのが、ロシアの兵器生産能力である。ウクライナに対しては、米欧諸国が、NATO加盟国を中心に積極的に防御的な最新兵器を中心に供給を進めており、米国の兵器生産大手、ロッキード・マーティン等も本格的な増産態勢に入ったと伝えられ、供給が途絶えたり、一気に減少することなどといった事態は、当面考えられないであろう。
他方で、ロシアの状況はどうであろうか。私は、かねてブログで、ロシアの「非工業化」の進展を議論してきた。ロシアの工業生産の停滞ないしは縮小を、ルーブル昂騰による一時的現象としての「オランダ病」(例えば、吉井昌彦・溝端佐登史編著、70ページ、あるいは、田畑伸一郎、27ページ)とみなす見解も多々見られる。しかし、私は「オランダ病」という認識の前提にある為替変動如何で工業生産が回復する可能性が存在するようなのが、今のロシア工業の状況ではないと考えている。ロシアの「非工業化」が、旧ソ連の解体後の30年間、着実に進行し、ロシアの勢力圏内で工業生産を完結できなくなっている、すなわちロシア勢力圏内完結型工業生産体制ではなくなっているだけではなく、フルセット型、すなわち輸入にも依存するとしても、ロシアの勢力圏内で、最新半導体や産業機械等を含め、一通りの工業製品をそれなりの量で本格的生産が可能な工業構造を持つという意味でのフルセット型の工業生産構造でもなくなっていると見ている。つまり、ロシアでは、主要工業製品が輸入に代替される「非工業化」、重要な工業製品生産部門の多くの欠落が顕著に進展し、為替レート如何でフルセット型の国内工業生産が復活する可能性が存在するような構造ではなくなっている、と見るべきだと考えている。これが「非工業化」と私がよんでいることである。
まず認識すべきことは、かつて旧ソ連の時代、ロシアが宇宙航空機産業そして核兵器製造等を含め、ロシア工業は旧ソ連圏内完結型の工業生産構造を構築していた、という事実である。ロシア共和国を中心に、旧ソ連圏内で、工業製品の部材や、工作機械といった資本財をはじめ、全ての消費財を生産していた。ただし、その特徴は、市場の競争にさらされることのない、司令経済の下での生産体系の地域内構築であった。全てを作れるが、国際競争力を持てた工業製品は兵器等が中心であり、その他の工業製品のうち国際競争力を持っていたのは、域内の豊富な天然資源を基にした天然資源の一次加工品止まりであった。全て域内で生産可能であった日用消費財、耐久消費財、設備機械、いずれも旧ソ連圏にとっての域外市場で競争力を持つものではなかった。
これらの点を、以下では、藤原克美氏の研究成果を利用して、まずは見ていく。その上で、その補強材料としてジェトロによるロシアの工作機械工業調査を紹介する。その結果を踏まえ、貿易面でどのようなことが生じているかを、いくつかの研究や統計を紹介しながら確認する。これにより、私のいう「非工業化」がロシアで本格的に進行しており、現状の天然資源輸出中心の経済国としての世界経済での位置から、国際経済上で抜け出すことは、ロシア経済にとっては短中期的には非常に困難なことを示す。
(なお、本稿は、私のロシアの工業の現状についての認識とその根拠を、より明確に示すために、本ブログに既に発表したいくつかの論考に、新たな書き加えと再編を行い、1つの論考としたものである。)
1 藤原克美氏の研究の含意
以下の部分は、藤原克美(2012)を読み、ロシア工業の最近の動向を基に、「工業化」とは何かを考えた結果についてのものである。本書を取り上げたのは、その著作で描かれたロシアの繊維産業の状況とその変化が、(ロシアの)近年の工業化ないしは工業構造の変化とはどのようなものかを考えるうえで、大変興味深いものであったことからである。それゆえ、本著作を取り上げ、紹介し、いくつか私が考えたことを提示した。
なお、私は、ロシア経済について全くの素人であるので、入門書等をも多少参考にしながら、同書を検討した。より具体的に言えば、検討課題は、同書が言うところのロシア繊維産業(主として布帛(織布)・アパレル(縫製)生産)の「再編」とはどのようなものであるかである。産業としての復活過程なのか、ロシア産業高度化の一環としての繊維産業の縮小ということなのか、それとも、ロシア産業構造劣化の象徴的存在なのか、という疑問である。この点に対する見解と、その理由・根拠を考え、本節のまとめとする。
a 旧ソ連時代の工業の概要
まず、藤原著の「表1−4工業部門別従業員数」(藤原、27・28ページ)を通して、1940年と1980年の従業員数を比較すると、全工業で1300万人余から3159万人余へと、約2.5倍に増えている。そのうち、機械工業だけでも1940年には全体の4分の1強であったのが、1980年には1561万人と工業全体の半分近くなり、繊維工業中心の軽工業も521万人と3分の1を占めている。旧ソ連では、2億8千万人の人口のうちの3千万人以上が工業人口であり、かなりの工業国と言え、そのなかでも、特に機械工業の大きさが目立っていた。
また、繊維機械の生産も1986年には織機だけで2万台を超えていた(藤原、表2-10、40ページ)。しかし、それから14年、ソ連解体後の2000年には織機の生産は113台へと激減している(藤原、表8-9、153ページ)。ちなみに、日本の2013年の織機の国内生産は1万7千台である(『平成25年 経済産業省生産動態統計年報』)。
さらに織布生産での生産性の上昇率について、1960年を100として1990年の状況で見ると、一人当たりの織布生産量はフランスでは3倍に増えているが、旧ソ連では1.5倍、50%増にとどまっている(藤原、図2-4、43ページ)。また(旧)労働省『労働生産性統計調査報告』を利用して、1970年を100とした生産物単位あたり所用労働時間指数を見ると、日本の綿紡績では1959年が199.9で1973年が73.3であり、綿糸の時間当り生産量は約半分の14年間で2.7倍になっている。旧ソ連での生産性の上昇率の低さが目立っている。
このように旧ソ連には、機械工業を中心に工業生産部門が主要生産部門として存在していた。同時にそれらの生産性の伸び率の低さは、極めて顕著であることが示唆されている。元々生産性が高いとは言えない旧ソ連の工業部門であるが、戦後西側諸国の工業部門の生産性がそれなりに上昇していく中、それに取り残された工業部門が旧ソ連の工業部門であると言えよう。
b) 旧ソ連解体後のロシアの状況
旧ソ連時代においても工業部門の拡大は順調ではないことが示唆されるが、旧ソ連以後のそれは、工業部門それ自体の顕著な縮小、ないしは消滅が生じたのである。ロシアの部門別生産量について1991年を100としてみると、2009年には、燃料・エネルギー部門は120だが、機械工業全体で40となっている(藤原、図8-1、146ページ)。特に、乗用車を除く機械部門は急減している。すなわち、乗用車は1992年を100として2005年には110.9と100を上回っているが、冷蔵庫は87と多少の減少だが、金属切削機は9、プレス機も9であり、トラクターは7となっている(藤原、表8-3、149ページ)。産業用機械の生産は1割以下への減少と、激減している。繊維産業機械について見ても、1990年18千台余生産されていたものが、2000年には113台と1%以下に減少している(藤原、表8-9、153ページ)。
藤原氏の関心は繊維製品の生産にあるが、その関連で示される繊維機械の生産は、繊維製品以上に壊滅的な状況となっている。旧ソ連時代にソ連内で作れたものが、旧ソ連解体で開放経済化した途端、ほぼ工作機械をはじめとして、産業機械生産全般が消滅に近い状況となったことが垣間見える。
このような統計的事実を踏まえながら、藤原氏は、繊維製品のロシア内生産企業についても、「低品質・高コスト構造をソ連から引き継いだロシアの繊維企業は国内市場で充分な競争力を持たなかった」(藤原、233ページ)とし、「市場競争を基礎に生産の拡大を目指す企業も存在する」し、「ごく一部の企業には、グローバルな競争の下でも生存の可能性がある程度残されている」と述べ、「これらの企業のターゲットは、寝具や子供服といったニッチの領域」(藤原、232・233ページ)と述べる。「各経済主体に埋め込まれたソビエト的な行動様式は、このように根強いもの」であり、「私的所有が生まれ、市場の競争圧力があっても、それは自動的には生産性の上昇をもたらさないことを示していた」(藤原、234ページ)とまとめている。
繊維製品とそれを生産するための繊維機械、これらの工業分野は、旧ソ連には幅広く存在し、国内供給を担っていたのだが、市場競争を通して、生産性を高め、その中でより生産性を高めた企業が生き残り、全体としての工業生産を拡大する、というメカニズム、資本主義的競争的市場経済では当たり前のメカニズムが、旧ソ連解体後のロシアでは働かず、国内生産の壊滅的崩壊となり、工業製品の幅広い海外依存が生じたことが紹介されている。
2 広範な工業発展がない中での軍需産業関連の発展をめざす政策の実現可能性?
広範な工業発展がない中で、「「イノベーション・シナリオ」というものが想定され」「重視されている製造業部門は、航空機産業、ロケット・宇宙産業、造船業、無線電子工業などである」(吉井・溝端、68・69ページ)といった発想は存立可能なのか。これらの産業の発展あるいは維持は、「非工業化」しているロシアにおいて実現可能であろうか。
ロケット・宇宙産業以外は、市場経済下では、民需市場に大きく依存し、そこでの生産力を転用し、軍需での高い開発水準と相対的に安価な調達を実現している。ロケット・宇宙産業も同様な方向に進もうとしている。民需市場を確保するだけの能力に欠ける、事業単位としてのロシア軍需企業が、海外市場を含めた民需市場を前提にした、企業経営を実現できるのであろうか。使用価値的には造れるが経済的に競争力あるものについては造れないのではないか。
日本の企業が世界の半導体市場を256kのDRAMで圧倒していた1980年代、同時代の旧ソ連圏内の東独でのDRAM製造が象徴的なように、製品開発はなんとかできるが、一個あたり生産にはべらぼうなコストがかかり、競争力のある製品とはならない可能性が高い。民間市場での競争力がなく、国内軍需で支えられ、それゆえ市場競争力志向が失せ、市場競争力の回復可能性を喪失、という悪循環が生じる。今のロシアの兵器製造企業の状況は、先端的な兵器を造れるだけに、なおさら質(たち)が悪いと私には思える。
中国企業の場合には、相対的に安価な製品を量産的に生産可能であるし、市場競争力を持つ分野を確保し、グローバル展開が可能である。ロシアでは、この部分がなく、使用機械や部材等を含め、全部をロシア内で生産するならば、相対的にみてきわめて高コストだが、最終製品としての先端的な兵器については、競争力のあるものとして一応製造できる、このことの悪循環が存在する。
民需市場に大きく依存する量産型機械工業の存在がない中で、一品生産的な上記産業を支える、相対的な低コストを実現することが可能となるような機械工業の基盤産業を保有することができるのであろうか。私の理解する機械工業論からは不可能と判断される。その部分を輸入に依存するのであれば、それなりに可能となる。今の工作機械や先端半導体の対外依存状況から見て、まさに、ロシアの競争力ある兵器産業は、このような状態にあるといえよう。競争力ある兵器生産を維持するためには、資本財や部材については対外依存せざるを得ないということになり、国内生産へシフトする可能性は、極めて小さくなる。
このようなロシアの状況は、戦前の日本の軍需生産にも近い。最高水準の兵器を設計開発し、製造機械と一部部品がそろえば兵器の量産的生産もできるが、決定的な製造機械と部材は輸入依存という状況である。戦争が始まり、輸入が途絶えると、工作機械が耐久年数を超え、兵器の品質が顕著に低下する。これと必ずしも同じ状況ではないが、これとの類似性もロシア兵器産業には垣間見られる。
まさにウクライナ侵略開始で、その戦争が長期化する中、この問題が、半導体不足や工作機械の陳腐化といった形で表面化しつつあるのではないかと、私には思われる。
3 ジェトロレポートにみるロシア工作機械の国内生産と輸出入の状況
かつて実態調査を踏まえ、統計的事実も念頭におきながらも、実態調査から示唆された工業発展の論理を、日本の高度成長期とそれ以降そして中国の改革開放後について見てきた元産業論研究者である私としては、現在のロシアの工業諸部門、軍需産業部門も含め、そこでの競争と投資の具体的姿をぜひみることにより、私のいうロシアの「非工業化」が実際に進行しているのかどうか、それとも、「オランダ病」として理解可能であり、為替レート次第で再発展する工業が依然ロシアには存在しており、私の理解は間違っているのか、自分の眼で見て確認したいところである。しかし、知的体力の顕著な弱化と調査環境の悪化の双方で、今の私には、このようなロシアでの実態調査は不可能となっている。
同時に、邦文でのロシア経済研究は、多く出版されているが、ロシア工業の実態、軍需産業を含め、その実態から工業の発展展望をおこなっている、あるいは調査報告をしているものは、ほとんどない。藤原克美氏のロシア繊維産業の研究が、私が接した唯一に近い、実態研究を踏まえたロシア産業についての著作といえる。なぜ、日本のロシア経済研究者は、ロシアの工業発展の論理を、その実態にまで踏み込んで議論しようとしないのであろうか。それともかつての中国のように、実態に踏み込むことは、日本の研究者には許されていないのであろうか。
このような欲求不満に陥った元産業論研究者が、たまたま見つけることができたのが、ジェトロのレポート『ロシア工作機械市場概況』(2021)である。ジェトロがロシア現地の調査機関に委託してまとめた調査研究レポートであり、ロシアの工業の中核の1つを占めているといえるロシア工作機械工業の現状についてのレポートである。
本レポートで私がまず注目したのは、ロシア国内での金属切削加工機械生産台数と輸入台数の開きである。本レポートの「図2 ロシア国内における金属切削加工機械の生産台数」によれば、2020年には国内生産台数は4,331台であり、ここ数年4,000台前半を行き来する状況である(ジェトロレポート、6ページ)。他方で、同年の海外からのロシアへの金属切削加工機械の輸入台数は、68万台余であり、これまたここ数年での大きな変動はない(ジェトロレポート、7ページ)。この状況について、本レポートでは「品質の低さから国内生産品へのニーズが急増することは考えにくく」(ジェトロレポート、6ページ)と述べている。(ここでいう「金属切削加工機械」がどのような範囲の機械を指しているのか、本レポートを見る限りでは、よく分からない。近年ではホビー用の旋盤等も多く存在しており、本格的な金属加工用の切削機械なのかどうかは不明である。注意をしてこの図を見るべきだとは感じているが、いずれにしても、その数字の乖離はあまりにも大きく、金属切削加工機械が輸入依存であることについては歴然としている)
ロシア国内生産台数は4千台強、輸入台数は68万台、台数比では国内生産は輸入の1%以下ということになる。しかも、市場環境が変わっても品質ゆえに国内生産品への需要が増えることは考えにくいと、レポート自体は結論づけている。機械工業の要の1つである金属切削加工機械1つとっても、ロシア国内生産はごくマイナーであり、品質面で輸入品と競合できるものではないとの指摘が、本レポートの指摘の中核部分といえよう。もちろん、国内生産台数には、外資系企業のロシア国内生産であろうとも、あるいは、単なる組立だけをロシア国内で行っていても、統計的に国内生産に含まれることになるであろう。そうであるにもかかわらず、68万台と4000台の開きがあるのである。
たとえ、輸入が途絶したとしても、毎年輸入していた60万台余を実績として1万台も達していない国内生産で補うことは、質量共に、一朝一夕では不可能であることは、火を見るよりも明らかである。なぜ、このような状況を「オランダ病」といった為替レートゆえの不振ということができるのであろうか。工作機械、この場合は金属切削加工機械に限定されてはいるが、そのほぼ全面的な対外依存への移行状況は、「非工業化」そのものといえよう。
同時に、ロシア政府そのものは、この問題の存在と重要性に気がついていて、2017年には国内工作機械工業の復活を目的とした助成金政策を実施しているとのことである(ジェトロレポート、11ページ)。ただし、その目標年次は2030年であり、10年以上の期間をかけての復活への施策であり、為替レートが変われば復活するような状況ではないことを、ロシア政府自体が自覚しているということであろう。なお同レポートによれば、旧ソ連末期のソ連製工作機械の国内シェアは94%であったという識者(1)もいるとのことである。
30年間で、ロシア国内に設置された工作機械の多くが外国製になり、とくに新規投資される工作機械の圧倒的部分が輸入製品となった。その状況を多少なりとも方向転換させることを目指す政策が、すくなくとも10年以上をかけることを目処に目指されている、ということであろう。国内需要に応えていた自国系企業の国内工作機械産業が消滅し、それを再生するために10年以上の月日が必要と、ロシア政府自身が自覚しているのである。実際のところ、このような助成金政策で復活可能だとは、私には思えないが。
ロシア国内企業が、ロシア国内で外国製品そして外資系企業が参入困難あるいは参入意欲を持たないような独自な市場を見出し、それをめぐって国内企業間の激しい競争が行われるような市場分野、そのような分野を開拓し、そこでの先端化を軸に、他の分野へのその波及で国際競争力を実現する。こんなシナリオが描ければ、10年単位での展望は生じるかもしれないが、ロシアで実現することが当面あるとは、私には思えない。このような内発的発展は、中国の改革開放後では生じていたと、私は理解している(渡辺、2016年、参照)。
このジェトロレポートがロシア工作機械産業の現状をほぼ正確に反映したものであれば、少なくとも、旧ソ連時代に国内需要のほとんどを充足していたロシアの工作機械産業は、実質的に消滅し、ロシア国内工作機械需要のほとんどは輸入工作機械によって充足されているということができよう。他方で、工作機械を使用する加工業企業はロシア国内に存在していることを、このことは意味している。工作機械需要がロシア国内にあること、その需要者がロシア系企業か外資系企業かは分からないが、そのことは事実であろう。それゆえ、輸入工作機械を使用した工業活動がロシア国内で行われているということは言えそうである。
ロシア経済には、私が理解するように「非工業化」したとしても、すべての工業活動が海外化し、全ての工業完成品を輸入しているのではなく、金属関連の工業製品についても、ロシア国内での加工を一定行う企業層が存在する、ということを示しているであろう。ロシア経済は、天然資源に恵まれ、通常であれば外貨獲得能力に恵まれ、購買力平価での一人当たりGDP水準で見て日本の3分の2ほどの1億4千万人の人口がいる市場を持っているのであるから、その需要に向け、市場近接生産が有効な分野が多く存在するということであろう。立地的に、需要への変化への迅速対応や、輸送費コストとの関連から最終組立を市場近接で行ったほうが有利といった理由で消費市場への近接が必要とされるとか、あるいは鉄鋼の半製品のように天然資源生産地域への近接が必要とされるような工業生産についてはロシア国内で生産がなされる。しかし、それ以外の市場近接や素原料生産地近接立地を必要としないような工業製品、特に質的差異が大きく生産性や品質に関わるような工作機械等の産業機械や最先端の半導体等の部材については、最も品質の高い工業製品を生産する経済地域の企業からほとんどを輸入する、ということが生じているのであろう。
この点に関しては、天然資源が豊かで外貨獲得能力があり、一人当たりGDPは先進工業国並みであるが人口25百万人ほどのオーストラリアでの乗用車産業の消滅が、大変示唆的である。この豊かなしかし人口規模としては乗用車生産の川上から川下までの規模の経済性を実現するには不十分な市場であったオーストラリアでは、かつては組立だけは市場近接で行う十分な市場の大きさがあったゆえに、その部分のみであるがオーストラリア立地が各完成乗用車メーカーにより希求された。しかし、完成車輸送コストが低下したことで、より生産性の高い地域で集中生産をし、規模の経済性を追求することが有効な生産立地となり、オーストラリア経済の豊かさそのものは全く変わらないのに、オーストラリアでの外資系企業の完成車組立工場、これが全ての組立工場であったが、それらは消滅した。
この例が、ここでも思い出される。オーストラリアと同様に天然資源と第一次産業に恵まれたロシアは、比較優位の原則に従い、市場近接が重視されず質的差異が大きな工業製品の生産についてはロシア国外に立地し、そこからの輸入に依存する体制が、外資系企業によって構築される。これが、ロシア経済の「非工業化」の進行といえる。その象徴的に表現するものが、ジェトロレポートが取り上げた工作機械産業と言えるであろう。
繰り返すが、ロシアの工業は「オランダ病」に陥っているのではなく、ロシアの工業では、旧ソ連解体後、旧ソ連が保有していた川上から川下までの旧ソ連圏内完結型の工業生産体系の「非工業化」が進展しているのである。現在世界の先端をいっているかのように見えるロシアの宇宙航空産業および軍需産業も、それらをかつては支えていたロシア国内の工業基盤については、まさに字義通りの「空洞化」が顕著に進行した、否、今も進行していると言えそうである。
4 ロシアの「非工業化」をロシアの貿易構造から見る
ロシアの工業、世界最大の核保有国であり、最新兵器を多数持ち、宇宙開発でも先頭を走るロシア、しかし、その工業基盤は、これまで見てきたように、旧ソ連以来の弱点である国際競争力の無さを克服できないまま、ソ連解体後、「非工業化」するに至っている。以下で見るようにロシアの輸出入構造は、まさにそのことを明確に反映している。
先端兵器を生産できる工業力を持つ経済でありながら、その輸出入構造は、全く工業国の体を成していない。ロシアの輸出入構造を改めて見ると、天然資源とその一次加工品をもっぱら輸出し、完成品としての工業製品、資本財として、耐久消費財として、そして日用品としての工業完成品について、もっぱら輸入しているということが明白となる(通商産業省編『通商白書2018年版』第1部第2章第5節ロシア及び中央アジア)。それも一方で先進工業国を多く含むドイツ等の欧州との取引でそのような関係にあるだけではなく、後発工業化国である中国との輸出入関係でも、天然資源と一次加工品を輸出し、電話機を中心とした機械工業製品をはじめ、多様な工業製品をもっぱら輸入している(ジェトロ中国北アジア課編)。
輸出入構造だけを見ると、工業国とは全く見て取れない状況である。豊かな天然資源をもとに、購買力平価で見た一人当たりGDPは、中国を上回っているが、先進工業国やオーストラリアといった一次産品輸出主体の高所得国とは比べ物にならない低い水準である。2020年には、米国63,414ドル、ドイツ54,264ドル、オーストラリア52,397ドル、イギリス45,853ドル、日本41,733ドル、ロシア28,213ドル、中国17,204ドル(Global Note、2022年3月4日閲覧)となっている。中国より大きいが、米国の半分以下であるし、人口規模がかなり近い日本と比較しても、その3分の2強の水準といったところである。国民全体が、豊かな天然資源の輸出を通して、オーストラリア等と並ぶような先進工業国並みの豊かな生活水準を実現しているわけでもない。
しかも、ロシアの輸出入を見てみると、基本的に一次産品ないしはその一次加工品を輸出し、工業製品を輸入していることは、対中国でも、対世界と同様である。この国が、工業製品でもある核ミサイルの保有台数では世界一であり、それらは自国産のミサイルでもある。「先端」的な軍備品の保有高では世界一であり、それらについて国内工業基盤を利用して生産してきたはずである。しかし、携帯電話ないしはスマートフォンについては量産できないらしく、中国からの輸入品の第1位が電話機輸入で、53億ドル余りになり、ロシアの電話機輸入の71%を中国製が占めていることとなっている。中国に原油や天然ガスを売り、中国からスマホ等の工業製品を多く輸入しているのである。ロシアから中国への輸出の上位10品目に、機械関連の製品は全く入っていない。同時に中国の対ロシア向け輸出品目上位10位までは、機械関連を中心に全て工業製品である。(ジェトロ中国北アジア課編)。
このことが意味するのは、私がその存在の重要性を強調してやまない機械工業の基盤産業がソ連崩壊後に消滅したと考えられることである。ソ連時代は、国際競争力はなくとも、東側諸国の工業製品生産国として、機械工業の基盤産業も存在していたと思われる。それがなければ、曲がりなりも国産部品だけで乗用車を量産することは不可能である。国際競争力が全くないとしても、機械製品を部品から国産化することは不可能である。私の記憶に残っている一例を挙げれば、私の大学院生時代、1970年代に旧ソ連を旅行した院生仲間が、買ってきて見せてくれたソ連製の腕時計を挙げることができる。確かにそれは腕時計であり、当時の円換算で見ても、極めて安い時計であったが、動くことは動き、時を刻んでいた。しかし、当時の日本ではクォーツが導入され、時計は時間が狂わないことが当たり前になりつつあったが、その腕時計は、毎日時間を合わせないと、決まった電車に乗るためには使えない代物であった。しかし、動くことは動いたのである。毎日時間を合わせれば、なんとか決まった電車に乗るためにも使えた。
当時のソ連では、スプートニクを打ち上げることができ、核弾頭付きの大陸間弾道弾を数多く保有できただけではなく、耐久消費財としての機械製品も、国内で部材から生産できた。繰り返すが、先の腕時計とかソ連崩壊時のラーダといった乗用車生産の産業の存在で象徴されるように、全く国際競争力はない量産機械ではあったが、純ソ連産の量産機械も生産可能であった。
その旧ソ連の中核部分を引き継いだロシア、そこでの輸出製品が、ほぼ天然資源とその一次加工品に限られ、機械製品は、対中国でも量産耐久消費財としての機械どころか、資本財としての機械についても、全く10位以内の輸出品目に入っていないのである。それに対して、先にも指摘したように、中国の対ロシア輸出の第1位製品は、スマートフォンを中心とした量産電子機器としての電話である。もちろん、その部材、ましてや生産のための資本財全てを中国国内で生産しているわけではないが、完成品としての電話が中国からの輸出品の10%近くを占めているのである。
今回のウクライナ侵攻で、米欧諸国からの最新機器やそれらの生産のための部材の輸入が困難になっている。このことが長期に続けば、かつてのソ連圏の工業のように、海外との競争から守られた市場を、少なくとも旧ソ連内のいくつかの国を含めた市場を対象に国際競争力はないが、その市場内では供給できる工業企業群が再生するかもしれない。ただし、そのためには、中国そしてトルコやインドからの輸入も途絶する必要があろう。これらが途絶せず輸入可能である限り、旧ソ連圏のような市場の孤立は生ぜず、中低価格品では圧倒的な国際競争力を持つ中国等の後発工業化国からの輸入品にロシア市場は席巻されることとなろう。ただ、その限りでは、軍需品の遅れている部分を、スマホ輸入のように輸入製品や部材の活用で、ある程度克服できるかもしれない。
4の補 丸川知雄・服部倫卓「中国・ロシアの鉄鋼業–競争力の源泉は何か?–」
に見るロシア鉄鋼業の現在
丸川・服部共著論文は、鉄鋼業のあり方・状況を、中国とロシアを中心に各国比較した論文である。中国の状況の独自性と、ロシアの鉄鉱石産出国としての特性といったことを、浮かび上げることに成功した興味深い論文でもある。丸川・服部論文を通して、ロシア鉄鋼業の輸出状況を見ることで、より具体的にロシアの工業製品の輸出内容、他の鉄鋼輸出国と比較しながら、その質を確認し、私が「非工業化」と呼ぶことが、鉄鋼輸出にも反映していることをみていきたい。
「図1 鉄鋼大国の生産・輸出入構造(2016年)」(丸川・服部、32ページ)は、特に大変興味深い。輸出の絶対量では年間1億トン以上と世界1の鉄鋼大国かつ鉄鋼輸出国である中国だが、国内生産が8億トンあり、内需が7億トンとなる。それに対し、日本は年産1億トンでその4割弱を輸出、ロシアの年生産量は7千万トンでその44%を輸出し、輸出の絶対量で世界最大の中国の輸出依存度は13%にとどまっていることが示されている。世界市場に多大な影響を与える中国鉄鋼業は、未だ基本的に内需向け鉄鋼生産国なのである。
さらに輸出される加工製品としての鉄鋼について、その加工がスラブ等の半製品か、それとも鋼板等の鉄鋼としての意味での製品か、によって分けると、数量ベースでみてロシアの輸出の半分は半製品であり、中国のそれは1万トン余で、全輸出の0.01%にとどまっている。しかも、ロシアの製品の輸出先で製品中心なのは、旧ソ連の諸国からなるCIS向けだけであり、後の地域向けはいずれも半製品が過半を占めている(丸川・服部、表6、表7、35ページ)。
本論文での中国とロシアを中心にした鉄鋼の生産と輸出の構造比較から見えてくることは、中国の巨大な鉄鋼生産量の9割近くが、内需向けということであり、それと比較して10分の1以下の生産規模のロシアの鉄鋼生産は、輸出依存が大きく、かつそれも先進工業国向けでは半製品の輸出が半分以上を占めるという、素原料生産国という姿である。たとえ、国内で多少とも加工して輸出するとしても、旧ソ連内共和国向け以外では、その一次加工品中心であり、天然資源輸出国という性格がきわめて強いことである。工業製品として鉄鋼製品、鋼板等も最終製品とは必ずしも言えず、完成金属製品や機械の部材として利用され、建設用資材として使用される部分が多いのであるが、そのような意味での製品でも、ロシアは自国内で生産を行う部分が少なく、対外的には、基本的に天然資源がらみの原材料およびその一次加工品を輸出する天然資源国の姿をとっているといえる。
ここでも、ロシアの輸出構造は天然資源国のそれであり、一応一次加工までは自国内で行っているが、最終製品としての鉄製品の輸出ではなく、天然資源に依存した輸出構造が、ようやく一次加工品の輸出にまで辿り着いたといったような姿を示している。同じ鉄鋼品の輸出と言っても、鉄鋼製品についての国際競争力が不足している姿を露呈している。なお、ロシアの企業による半製品の輸出には、ヨーロッパにある自社の製品製造工場向けのものも含まれるとのことであるが、丸川・服部論文の注(1)によれば、そのような形態でのロシア工場の経営は、必ずしもうまくいってなく、一部工場を売却した例もあるとのことである(丸川・服部、46ページ)。ロシアの鉄鋼メーカーのビジネスモデルとして、ロシア国内で半製品に加工し、それを需要先である欧州にある自社工場で製品に仕上げ、鉄鋼製品需要に自社で対応する、というビジネスモデルが成功している、すなわち鉄鋼メーカーとしてロシア系企業が競争力を持っているとは、必ずしも言えないようである。
鉄鉱石の産出国であり、しかも、鉄鋼への加工能力があり、旧ソ連時代は、ほぼ全ての工業製品をソ連圏内向けに生産供給した、ソ連圏内完結型の工業生産体制を構築していたロシアであるが、国内での鉄鋼製品の2次加工製品については欧州諸国市場での競争力を確保できず、基本的に先進工業国向けでは、素原料生産国での一次加工をしての輸出へと後退したといえる。旧ソ連の解体後に、鉄鋼業でも非工業化が進展したといえよう。
5 まとめ
a プーチン大統領にとって、ゼレンスキー政権を打倒し、傀儡政権を擁立するためにウクライナ侵略することは、それゆえ、短期に政権打倒を実現することが絶対条件であった筈である。それによって、ロシア国民の生活に大きく影響するような事態を避けることが、不可欠だった筈である。
しかし、今や3ヶ月近く経過し、首都キーウ陥落については諦めたような状況にある。ゼレンスキー政権のウクライナ内での存立基盤は、一層固まり、傀儡政権擁立どころではない。東部の2州とクリミア半島への陸路を占領したとしても、そのことは、ロシア国内向けのプーチン大統領のポーズにとっては意味があるとしても、原油天然ガスの輸出販売市場の確保や欧州からの中高級消費財の輸入の本格的な再開にはつながりそうもない。欧州製品については「欲しがりません。勝つまでは」といつまでロシア国民は我慢するのであろうか。我慢できるのであろうか。
原油や天然ガスの欧日からの需要は低水準にとどまり、一挙に消滅することはないとしても、ジリ貧となろう。それを中国やインドからの需要が全面的にカバーできるとは思えない。今、原油価格が高騰しているから見えていないが、原油価格水準が落ち着きを取り戻したら、どうなるのであろうか。原油や天然ガスについては、量的な充足が問題である。代替エネルギーを含め、多少高くてもエネルギーとして量的に確保できれば、ロシア産にこだわる理由は全くない。しかし、米欧日の資本財は、量ではなく、代替不能な製品群を多く含む。かつて大日本帝国の艦上戦闘機零戦を設計図通りの性能を発揮するものに仕上げるのに、対戦相手の米国シンシナティ・ミラクロンの工作機械が不可欠であった。同様なことがいくつかの先端分野では現代も存在する。例えば、先端半導体がそれであり、あるいはそれを生産するための露光装置も同様である。これらがなければ、先端兵器をこれから作っていくための基本的な部材や資本財に欠けることとなる。
b ここまで見てきて最も感じたことは、旧ソ連解体時の新古典派経済学者の提言が、見事に生かされたのが今のロシアである、ということができそうだということである。当時のグローバル経済を前提に、旧ソ連での比較優位産業をみれば、それは天然資源を採掘し一次加工程度を行い、世界に向けて販売することである。つまり、世界市場に開かれた形での比較優位を追求した結果、素直に比較優位産業である資源販売を核とする産業構造にシフトして、国民経済としてそして国民一人ひとりの生活水準として、それなりに豊かになったといえる。同時に、それは比較劣位であった機械工業等を含め工業製品分野はほぼ全て放棄する方向を意味した。まさに、その方向での徹底的な経済構造・産業構造のシフト、「非工業化」が実現したのが、今のロシアであろう。
比較優位を追求した結果と資源賦存の状況から、依然として巨大な天然資源供給国であり続けられたことで、世界経済の中で一定の位置を占め、強国としてのロシア、巨大な軍需生産と軍事力をもつ国家として再生産可能となった。軍備に関する部分は市場の競争に委ねなかったがゆえに、新古典派的世界に開放しなかったがゆえに、工業生産全般が解体しても、それなりに当面は完成品生産能力としては残った。部材生産がどこまで国内生産できているかは不明だが。
つまり、兵器の完成品生産は、中央政府が天然資源で得た資金を、直接その維持再生産のために注ぎ込んでいるがゆえに存在しえている。同時に、今、ロシア系企業として半導体生産で残っているのは、技術的に大きく遅れた軍需依存の企業数社だけだということも報じられている。これらのことは、まさに市場からほぼ完全に遮断した時に生じることと、グローバルな市場競争に素直に委ねた時に何が生じることとの双方を示唆している。
おわりに
勝手に色々、中小企業を中心とした産業論の元研究者として、ロシアの工業に関して、他の方々の調査結果等を読み漁り、そこから思いついたことをそのまま書いてきた。ここで考えたいことは、産業論の視点から見た場合、電撃的な侵略で、一挙に既存政権を打倒し、傀儡政権を短期間に擁立し、ロシアの勢力圏としてのウクライナを作り出す以外に、今回のウクライナ侵略が、プーチン大統領なりに意味を持つものとなりうる可能性はあるのか、そのための検討でもある。
産業論的視点から見た現況は、ウクライナの産業、工業も農業もであるがウクライナの全ての産業にとって、大規模な物理的な破壊が行われており、これほどの悲劇的なことはないといえる。同時に、ロシアの工業基盤の状況から見れば、ロシア経済にとっても、侵略による戦争状況が、長期化すればするほど、天然資源依存の国民経済とその下でのロシア国民の生活を維持することは、困難になるといえる。それを少しでも緩和しているのが、中国からの工業製品輸入であり、トルコやインドからの工業製品輸入であると言えよう。これがなければ、ロシアの一般市民の生活は、欧州製のアパレルどころか、まともな新品の衣服さえ手に入らない状況に一気になろう。
侵略戦争をプーチンの顔が立つように終えられるまで、プーチンを圧倒的に支持するロシア国民は、「(欧米製品は)欲しがりません。勝つまでは」すなわち「勝つまでは(中国製やトルコ製で)我慢、我慢」ということになる。このような国民に大きな犠牲を生じる状況は、いつまで持つのであろうか。ロシア国民のプーチン支持が一挙に縮小するのは、結構間近ではないのか。同時に、当面は、工業製品の主要供給国としての中国そしてインドやトルコの対ロシア姿勢が、プーチン政権の生命線となる、ということでもある。
注(1) ジェトロレーポートによれば、「ソビエト時代末期である1980年代、工作機械の生産はソ連にとって重要な産業であった。ソ連工作機械・工具省は238もの鋳造工場と30以上もの研究・設計施設を有していた。ソ連製品の国内シェアは94%であったという識者もいる。しかしソ連崩壊によって、・・・工作機械の本土のユーザーは高品質な外国産の工作機械へ乗り換え、上記の通り輸入に依存する構造に変化。その構造が今日まで続いている」(ジェトロレポート、12ページ)ということである。
参考文献資料
Global Note「世界の1人当たり購買力平価GDP 国別ランキング・推移(世銀) 」( https://www.globalnote.jp/post-3389.html 、2022年3月4日閲覧)
経済産業省編『通商白書2018年』「第1部 世界経済編 第2章 主要国・地域の経済動向及び対外経済政策の動き 第5節 ロシア及び中央アジア」(https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2018/2018honbun/i1250000.html
2022年4月4日閲覧)
ジェトロ中国北アジア課『2021年の中ロ貿易、輸出入とも3割超の伸び、中国はエネルギー禁輸への反対表明 』(ジェトロ2022年3月17日、https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/03/af99a5fab099f762.html 、2022年4月4日閲覧)
日本貿易振興機構海外調査部サンクトペテロブルグ事務所編『ジェトロレポート ロシア工作機械市場概況』ジェトロ、2021年
田畑伸一郎「ロシア経済の強さと弱さ」
(『比較経済研究』67巻1号、2020年1月、27〜39ページ)
藤原克美『移行期ロシアの繊維産業–ソビエト系工業の崩壊と再編』
春風社、2012年
丸川知雄・服部倫卓「中国・ロシアの鉄鋼業 –競争力の源泉は何か?–」
『比較経済研究』56巻1号、2019年1月
吉井昌彦・溝端佐登史編著『現代ロシア経済論』ミネルヴァ書房,2011年
渡辺幸男『現代中国産業発展の研究 製造業実態調査から得た発展論理』
慶應義塾大学出版会、2016年
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