2024年1月2日火曜日

1月2日 新年のご挨拶

 甲辰1月2日

新年のご挨拶 謹賀新年

渡辺幸男

 

 毎年、元旦に新年のご挨拶をアップしていたのですが、今年は、書き忘れ、2日を迎えてしまいました。遅ればせながら、新年のご挨拶をしたいと思います。

 

 昨年は、私にとっては75歳となり、後期高齢者となった節目の年でした。体力的な問題もあり、長年、多分20年余だと思いますが、携わってきた季節労働、中小企業研究奨励賞の審査委員を、2023年3月をもって退任しました。1998年に中小企業研究奨励賞特賞を受賞し、その頃に審査委員を務められていた故佐藤芳雄教授が亡くなられ、佐藤教授の弟弟子ということもあったのではないかと思いますが、同世代の中でも早くに中小企業研究奨励賞の審査委員を拝任することとなりました。

 それから20年余、年末は、いつも中小企業研究書を何冊も読むというのが務めとなり、特に経済部門の主査をおおせつかってからは、専門委員の方々とともに10冊ほどの専門書を1ヶ月の期間で読み、その評価を自分なりに行うことになりました。当初は、中小企業懸賞論文の審査委員も行っていたこともあり、懸賞論文への応募作品で1次審査を通った企業部門の論文も読む作業も行い、大学教員としての年末の業務遂行と並行に作業を行うことになりました。

 まだ、五十代で今から比べれば若く体力と気力もあったのですが、両方の審査を同時に行うこと、それも責任者として行うことは大変きつく、懸賞論文の審査員については辞退し、奨励賞の経済部門主査のみということにしてもらうという、勝手な希望を両賞の主催者である商工総合研究所にお願いし、通してもらいました。その研究奨励賞の審査だけでも大変きつくなり、遂に、昨年3月、2022年度の審査と授賞式の終了をもって退任させていただきました。

 研究奨励賞の審査委員であることで、毎年の主要な中小企業関係の著作、かなり中小企業研究としては周辺的分野を含めた多様な研究成果について、本格的な研究と言える著作の主なものを、毎年10冊読むということは、自分の研究に幅を持たせる意味でも、大変意味のあるものでした。中小企業研究の中でも、自分が得意の研究分野に閉じこもることが多くなりがちになっていたのですが、この経済部門の主査を続けることで、強制的に研究書を読まされることになり、結果的に狭い殻に閉じ困らずに済んだかと思います。

 

 そして、昨年の暮れ、研究奨励賞の10冊を読む義務が無い年末、全く新しい暮れでした。本来なら、季節労働がなくなったのであるから、新年の挨拶、このブログでの挨拶はとっくにかけているはずなのですが、どういうわけか、元旦までに用意することができませんでした。

 体力的に落ちてきていることは確かなのですが、パソコンに向かい文書を書くことができないほどではありません。が、気が抜けていたのか、気がついたら1月2日になっていました。

 今の日常は、大学教員である間は、私なりに中小企業研究者として、中小企業研究関連の著作を中心に読書すること、本を読むのは大好きなのですが、他の分野の本については禁欲すること、面白くなってしまうと、その関連の本にのめり込んでしまうので、他分野の面白い本を読み漁ることは禁欲、ということにしてきました。

その禁欲から解き放されました。結果、色々な分野の研究に関わる著作を読むこと、私の場合は、近世のアジア経済史から始め、中南米のスペイン征服以前の歴史、人類の生成をめぐる歴史、地球生物の創生史といった分野の本を読むこととなりました。これらの分野での研究は、今世紀に転換する前後から、新たな展開を遂げ、日本の研究者もその一翼を担い、その成果が、今、数多く、数多くの分野で出てきています。1960年代までのこれらの分野についての読書による常識に縛られていた私にとっては、大変新鮮な分野です。

 本格的な研究につなげるのではなく、入門書とその元となった研究書を、好きな形で読み漁る、これが楽しくてしょうがないのです。これを行うことで、この1年、特に年末については、昨年までと大きく異なる形で過ごしてきました。その中で、新年の挨拶を元旦までの準備することを、つい忘れてしまったのです。

 

 今年も、昨年同様に、好きな本を乱読し、庭いじりをし、それなりに元気に過ごしたいと思っています。相変わらずの出不精で、なかなか多摩川を渡ることない1年に、またなることと思いますが。ただ、メール等でのやり取りは、積極的に行いたいと思っています。完全な引きこもりではなく、窓口をそれなりにあけ、交流をしながら、好きな本を読み、花々をいじり、出不精を貫徹するのではないかと思っています。

 

 本年もよろしくお願いします。

 

 

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