2017年3月23日木曜日

3月8日,23日 研究ノート 近刊予告から刊行へ

 三田学会雑誌に久しぶりに投稿しました。ブログに書いてきた故加藤弘之教授の著作に関わるノートの幾つかを整理し、1つの研究ノートにまとめました。昨年の12月に入稿したのですが、出版は奥付けでは2017年1月ということになっていますが、実際には、いつものように遅れ、3月の学部卒業式までには刊行される予定です。
 ブログで各節について議論してきましたが、全体として何が言いたかったのか、それを示したく、研究ノートにしました。

 1月号ですが、手元には3月23日、正確に、慶應義塾大学の卒業式の日に届きました。


 なお、抜刷り同様の扱いとして、下記研究ノートのPDF化したものを、慶應義塾経済学会より受領しましたので、希望される方には、添付ファイルで送付します。ご連絡ください。

研究ノート
   中国産業・経済発展研究の方法 —加藤弘之著『中国経済学入門』を巡って—

『三田学会雑誌』1094号、2017年1月1日(奥付の刊行日付)

目次
はじめに
第1節 「曖昧な制度」と中国産業・経済発展
    加藤弘之著『中国経済学入門』での主張
1)   加藤氏のいう「曖昧な制度」の各章での具体的内容
) 多様な状況を「曖昧な制度」という概念で括ることの意味
) 中国への現状についての加藤氏の評価
) 混合所有企業、混合市場と市場の効率性
) 垂直分裂システムと「曖昧な制度」
) まとめ

第2節 中国経済経営学会・アジア政経学会・日本現代中国学会合同企画
   「加藤弘之『中国経済学入門』との対話」での4人の討論者の見解

第3節 加藤氏の「曖昧な制度」の一つ、「垂直分裂」について
       その中国での形成をどうみるか、筆者の見解
) 中国で垂直的社会的分業(垂直分裂システム)が広範化した背景
   ―市場環境(量的・質的・制度的・政策的)と主体の状況―
(1) 改革開放後の中国が置かれた市場環境(量的・質的・制度的・政策的)
a) 財・サービスの移動の低コスト化と移動容易な制度的環境の構築
b) 巨大な国内市場の存在とその存在状況
c) 販売市場の状況
d) 起業家・企業家の簇生と大量の参入
(2) 独自な市場環境がもたらしたもの

) 垂直的社会的分業(垂直分裂システム)の機能
           ―その広範化の意味するもの―
a)   各環節での一層の参入促進、競争激化
b) 各環節での多様なつながりの模索とイノベーションの進展

) 中国での垂直的社会的分業(垂直分裂システム)の展望


第4節 小括

参考文献
加藤弘之、2013『「曖昧な制度」としての中国型資本主義』NTT出版
加藤弘之、2016『中国経済学入門 「曖昧な制度」はいかに機能しているか』
                         名古屋大学出版会
川端望、2016「中国経済の「曖昧な制度」と日本経済の「曖昧な制度」
                  —日本産業論・企業論研究から—」
   『中国経済経営学会2016年度全国大会 報告要旨集』中国経済経営学会
中兼和津次、2016「「曖昧な制度」とその意味について再度考える
   —加藤弘之著『中国経済学入門』名古屋大学出版会、2016年を読んで—」
   『中国経済経営学会2016年度全国大会 報告要旨集』中国経済経営学会
中村精、1983『中小企業と大企業 日本の産業発展と準垂直的統合』
東洋経済新報社
菱田雅晴、2016「加藤弘之『中国経済学入門〜「曖昧な制度」はいかに機能しているか』
   へのコメント 形容詞形から名詞形へ 曖昧な移項?
   『中国経済経営学会2016年度全国大会 報告要旨集』中国経済経営学会
丸川知雄、2007『現代中国の産業 勃興する中国企業の強さと脆さ』中公新書
毛里和子、2016「中国経済学の可能性を問う」
   『中国経済経営学会2016年度全国大会 報告要旨集』中国経済経営学会
柳澤遥、2014『現代インド経済 発展の淵源・軌跡・展望』名古屋大学出版会
渡辺幸男、1997『日本機械工業の社会的分業構造
 階層構造・産業集積からの下請制把握』 有斐閣
渡辺幸男、2016『現代中国産業発展の研究 製造業実態調査から得た発展論理』
慶應義塾大学出版会

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