2016年7月29日金曜日

7月29日 梅雨明け、百日紅、エントランス


関東の梅雨が明け、蒼空が広がりました。
我が家の白の百日紅の花が、蒼空に映えています。


最初に咲いた花房は散り始めていますが、
いくつもの花房がつき、夏中楽しめそうです。


今年は、毛虫もあまりつかず、葉も綺麗なまま、
数多くの花房がつきました。
庭全体では緑が濃くなっているので、
百日紅の白い花が、特に目立ちます。


エントランス、夏の眩しい陽射しに輝いています。
サルビアとサンパラソルが中心で、
奥のクチナシにも、再び蕾がたくさんついています。

2016年7月15日金曜日

7月15日16日 サルスベリ、野牡丹、エンゼルイヤリング他


我が家のサルスベリ、白花の方が咲き始めました。
かなり大きくなっており、この写真は2階のベランダから撮ったものです。
花房が多数ついており、かなり長く楽しめそうです。

野牡丹も咲き始めました。
まだ2輪だけですが、
これから、夏の楽しみになりそうです。


エンゼルイヤリングが盛りを迎えています。
今、3人の子供の母になった娘が、中学1年の時、
学校のバザーで購入した苗を、挿し木し、いくつかの株に増やしました。
今年は特に多くの花芽をつけ、賑やかに咲いています。


門の脇にも1株、花芽が一番多かった株を飾りました。
ここのところの暑さで、花と葉が傷んできて、少し残念です。


色々な植木が所狭しと植わっている我が家には、
ヒマワリは珍しいのですが、これは小型なヒマワリなので、
うまく咲かすことができました。
妻が間引いた苗をもらってきた2本のうち1本です。


サンパラソル、
今も賑やかに、次から次へと咲き続けています。

2016年7月7日木曜日

7月7日小論                  覚書 後発工業化国の産業発展について4

中国の民営企業の発展がもたらしたもの(1)
      グローバル市場の付加的創造ないしは巨大な外延的拡大
渡辺幸男

 筆者は、中国の産業発展を考える時、何よりも民営企業主導部分における中国産業発展に注目する。また、輸出の2000年代半ばからの拡大を考える際、外資によるものだけでは無く、それ以上に民営企業中心の中国系企業の輸出増大に注目する必要があると考えている。

 現実の中国で生じていることは、民営企業主導の低価格国内市場の開拓と、それを踏まえた低価格品生産とそれぞれの市場のニーズに対応する能力を利用し、先進工業国の低価格品市場や発展途上国のこれまで未開拓であった市場の開拓に成功したということである。結果として、絶対的に急激な輸出拡大を実現しているのみならず、外資による輸出の比率が高まっていた中国の工業製品輸出で、国内企業の輸出比率が高まるという新たな展開を、2000年代半ばから実現している。
 この点は、末廣昭(2014)50ページの図3-1からも明らかである。末廣昭氏は同図から中国の輸出額に占める外国企業の割合が、1992年には20%であったのに2000年代に50%超となったことに専ら注目している。それ自体は間違っておらず、外国企業の輸出の絶対額は、同図が示す最後の年である2011年まで、急激に拡大している。同時に、2006年からは同図の地場企業の輸出額の伸び率がより高くなり、外国企業の輸出に占める割合は、2006年の58%から2011年の52%にまで5年間で6パーセント・ポイントほど低下している。近年の中国の地場企業の輸出の伸びの大きさが示されている。しかしながら、同図を踏まえて、末廣昭氏は「2000年代半ば以降の輸出の急増が、外国企業の輸出の急増によって支えられてきた事実も、図から判明する」(末廣昭、201449ページ)と明言されている。完全な図の読み違いといえよう。

 中国の民営企業主導の産業発展は、中国巨大市場の一挙形成時における、擬似国内完結型生産体制の構築の形で生じた。その特徴は、外資が進出できない低価格市場の一挙創造・開拓を、中国民営企業が行ったことにある。その際にさらに注目すべきことの一つは、丸川知雄氏の言うキャッチダウン的なイノベーションが行われたことである。
 巨大な中国低価格市場を創造し開拓する際に、多数の中国民営企業を中心とする中国新興企業の簇生が生じ、それらの企業間で市場創造そして開拓をめぐり激しい競争が行われることで、低価格品の市場でありながら市場ニーズへの柔軟な対応が生じた。低価格市場向けの製品について、生産技術のみならず製品技術的にもイノベーションが生じたのである。単なる安かろう悪かろうでは無く、極めて低価格だが、市場ニーズに対応し、そこそこの品質も備えた多様な製品が開発され、大量に供給された。その低価格品の生産のために産業機械の開発、筆者の言う産業機械の簡便化開発も多数の企業によって多様に生じた。
 
 その代表的事例の1つが、電動二輪車であろう。駒形哲哉(2011)でも紹介されているように、中国では、他国にはない独自な安価な乗り物として、電動二輪車が開発され、他国に類例を見ない規模、年産数千万台といった規模で生産され、多様な形態の電動二輪車が販売されている。その過程で、電動二輪車自体の多様な開発が進行したと同時に、部材の開発も進み、鉛酸電池の改良も進み、独自なブレーキの開発も行われている

 結果として、独自製品としての低価格品の巨大な生産力が、中国国内市場向けに形成された。この生産力が、本格的に海外市場にも向かったのが、伊藤亜聖(2015)等によって紹介され分析された義烏の発展からもわかるように、2000年代であり、これらの低価格品が世界市場へと大量に輸出されることとなった。
 ここで重要なのは、このような低価格品についての世界市場は、世界市場としてはこれまで存在しなかったということである。これまで存在していたのは、先進工業国向けの低賃金労働を利用した相対的に低価格品のグローバル市場であった。先進工業国の中の既存の低価格品の需要、あるいは成熟化した商品需要を充足するための低価格品生産に過ぎなかった。
 これにたいして、中国で発展したのは、発展途上国を含めた市場経済に初めてかかわるような巨大な低所得層、その層の所得の一定程度の向上と、その層の量としての急激な拡大、膨大化を背景とし、新規に市場化された低価格品市場向けの生産体系なのである。中国農村部の巨大な市場を背景に国内市場向けに、無数の民営企業を中心とした新興企業によって開発された低価格商品群が創造され、それが新規に形成された発展途上国を含む低価格品市場向けに進出し、中国からの輸出が拡大した。
 いえることは、中国民営企業を中心とした新興企業による、新たなグローバル市場の創造、ないしは外延的拡大、膨大なボトムの外延的な拡大である。そして、これを専ら自らのものとしたのが、中国の民営企業を中心とした新興企業群なのである。先進国の巨大多国籍企業は、ビジャイ・ゴビンダラジャン+クリス・トリンプル(渡部典子訳、2012)でのリバース・イノベーションの議論が示すように、これに触発され、改めて従来の低価格品とは異なる、拡大する市場向けの独自な低価格品の開発の必要性に気がついたといえる。
 生じたことは、中国新興企業によるグローバル市場の巨大な外延的拡大という市場創造なのである。中国新興企業による先進国向けOEM生産の拡大による輸出の拡大も、他方で生じていることは、筆者も理解している。筆者が調査した中国自転車産業でも、中国民営企業による日本や米国市場向けの自転車生産が活発に行われている。しかしながら、この場合でも、日系企業が、相対的に低賃金である中国人労働者を利用した、直接投資による中国現地生産の製品と、現地企業が開発した自転車とでは、基本的に価格水準が異なる。使用部材や使用機械を変えることで、外資の直接投資では不可能な価格水準で、それなりに使用可能な自転車を、中国民営企業は生産し、輸出している。先進国市場そのものでも、市場の低価格帯への外延的拡大を、中国新興企業は創造した。
 このグローバル市場のこの部分の創造において、特に、発展途上国等の新形成市場への進出において、決定的に重要な要素があった。それは、華人・華僑のグローバル・ネットワークの存在である。当然のことながら、発展途上国を中心とした市場の従来の輸出入にかかわる流通経路は、先進工業国の諸企業や先進工業国との商品取引を行ってきた現地諸企業によって担われており、扱われる商品は、それらの企業が販売可能と考える商品ということになる。現地の富裕層を対象にし、既存の先進工業国の商品を持込むことが中心となる。その流通ルートに依存するのであれば、中国新興企業による中国市場向けの低価格品は、主要扱い商材として採用される可能性は極めて低いことになる。低価格のみが取り柄で、商品当りの収益も低く、従来の富裕層向けでは無い商材を、積極的に扱う理由は、既存流通経路の担い手にはほとんど存在しない。
 他方で、中国人には海外に華人・華僑の人的ネットワークが存在していた。例えば、欧州の中華料理店の経営者や料理人には温州人が極めて多く、これらの人々は、浙江省温州市の諸産業とのつながりを根強く持っており、そこで生産された低価格品を、発展途上国や東欧等に売込む際の販売ネットワークの構築には、極めて有効であった。筆者の少ない中国現地調査の中にも、温州の片田舎の民営の靴下工場が、東欧の一国の市場では同社の靴下が30%のシェアを占めていると豪語する企業が存在した。しかも重要なのは、この企業は欧州の温州人ネットワークを利用し、オランダの中華料理店経営の同郷人と合弁企業を立ち上げ、その伝手を利用し、東欧に自社の子会社として靴下卸企業を立ち上げ、自社で現地の小売企業に直接販売することを実現していたことである。これは、外国人バイヤーや日系商社に輸出を依存していた、かつての日本の輸出産地の製造業企業には全く考えられない輸出形態である。このような取引形態は、現地ニーズとその変化の把握においては、決定的に重要な要素であるといえよう。
 このような中国人のネットワークを利用して、発展途上国等の市場に直接進出し、新たな市場を開拓することにより、また現地のニーズの変化を把握し迅速に対応することで、新規に形成されつつある市場を自らの輸出市場としていくことが、可能となった。アフリカにおける新市場創出の姿が、吉田栄一編(2007)に見事に描かれているように、独自かつ多様な低価格品を中国国内市場向けに生産したことを活かし、同国人さらには同郷人の海外ネットワークを活用し、それらの商材をこれまでグローバルな市場経済とは無縁であった人々からなる市場にまで、現地ニーズを踏まえながら売込むことに成功したのが、中国の新興企業である。
 中国企業による先進国市場での低価格品販売については、グローバル市場の低価格部分への外延的拡大というのが、適切であるといえよう。それに対して、発展途上国についていえば、まさに中国の新興企業とそのネットワークが市場を創造し、グローバル市場へと組込んだということができる。
 これを、全体としてみれば、中国新興企業によるグローバル市場の創造的外延的拡大ということになる。繰返すが、ここで重要なのは、先進工業国市場向けを含め、中国新興企業が自らの市場として創造し拡大した市場は、既存製品の単なる低賃金労働力使用ゆえに低価格化した商品を販売する市場では無いということである。相対的低賃金な労働力を利用していることは明確だが、同時に、キャッチダウンや簡便化開発といったイノベーションをも通して実現し開発した多様な低価格商品により、さらには現地市場のニーズとその変化を把握し、それに迅速に対応することで、グローバル市場の低価格部分を極めて巨大なものに外延的拡大することに成功したのが、中国新興企業なのである。
 先進工業国向けの低価格品市場の創造は、製品そのものの開発の主導権は中国新興企業にあるが、流通については、日本の百均市場に見られるように、先進工業国側の卸売企業が係わる場合も多く存在する。それに対して発展途上国の新規形成低価格品グローバル市場の創造には、流通についても中国新興企業が大きくかかわっており、中国新興企業によるグローバル市場の創造という表現がより適切であると言える。

 このような理解と最も遠いのが、末廣昭氏の中国の産業発展を含めた新興工業国の産業発展理解である。末廣昭(2014)によれば、中国も含め、新興工業国は「中所得国の罠」に陥っているとのことである。末廣昭氏の言う「「中所得国の罠」とは、一言で言えば、安価な労働と低コストの資本の追加的な投入によって経済成長を実現しようとする路線、つまり、低コスト優位の路線が行き詰まった状態を指す。その引きがねとなるのは、生産性の上昇を上回る賃金の上昇と、投資効率の傾向的低下であった。」そして、「労働の質の向上や技術革新によって労働生産性が伸びない限り、その国の成長率は鈍化していく。いわゆる要素投入型成長がぶつかる壁である」(末廣昭、2014126127ページ)ということである。すなわち、「低コスト優位に依拠した成長の限界」であり、「「要素投入型成長路線の限界」」(末廣昭、2014129ページ)ということになる。その後でなされる議論を見ると、中国やマレーシアそしてタイの3ヶ国とも、この論理でそれぞれにとっての中所得国の罠の存在が説明できると認識されていることが確認される。
 まず、ここで私にとっての大きな疑問は、末廣昭(2014)が、なぜ、中所得国への工業化のプロセス、末廣昭(2014)流にいえばキャッチアップのプロセスの多様性に注目しないのか、ということである。
 例えば、末廣昭(2014)では、丸川知雄氏のキャッチダウンの議論について紹介している(末廣昭、201472ページ)。この議論の含意は、単に既存の技術や機械を全くそのまま使うのではなく、必要に応じて、市場に合わせた水準に「簡便化開発」(渡辺幸男、2016)することも意味している。市場に合わせたイノベーション、これまでの技術発展とは異なる方向でのイノベーションをも含意しているのである。残念ながら末廣昭(2014)では、その含意を理解しているようには思われない。
 少なくとも中国について言うならば、その地場企業の輸出の増大は、外資の下請けとしての低賃金労働力の優位のみを利用したものではない。市場ニーズに対応したイノベーションと市場の創造を伴うものなのである。


参考文献
伊藤亜聖、2015『現代中国の産業集積 「世界の工場」とボトムアップ型経済発展』
    名古屋大学出版会
駒形哲哉、2011『中国の自転車産業 「改革・開放」と産業発展』慶應義塾大学出版会
末廣昭、2014『新興アジア経済論 キャッチアップを超えて』(シリーズ現代経済の展望)
    岩波書店
ビジャイ・ゴビンダラジャン+クリス・トリンプル、渡部典子訳、2012
  『リバース・イノベーション 新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき』
     ダイヤモンド社
丸川知雄、2013『現代中国経済』有斐閣
吉田栄一編、2007『アフリカに吹く中国の嵐、アジアの旋風
  途上国間競争にさらされる地域産業』情勢分析レポートNo.6アジア経済研究所
渡辺幸男、2016『現代中国産業発展の研究 製造業実態調査から得た発展論理』
    慶應義塾大学出版会



2016年7月1日金曜日

7月1日 クチナシとサンパラソル


10年前に観葉植物として、
窓辺の棚に置く小さなクチナシを2鉢ほど買いました。
室内で冬を越し、下の2枚の写真のように、
人の背丈ほどの立派な木となり、
多くの花を、次から次へと咲かせています。
クチナシの香りも漂っています。


こちらの方が、多少小さいのですが、
2鉢とも、今年の冬をどこでこさせるか、悩んでいます。


サンパラソルも花盛りとなっています。


エントランスは、初夏とは大きく変わり、
ゼラニウムの花は盛りを過ぎ、サルビアが賑やかに咲いています。
奥に見える孔雀サボテンは、今年最後の花の1つです。
今年も十分楽しませてもらいました。